こまったワンニャン

私たちは動物達から日々恩恵を受けています。ペットとして身近にいる存在でもあり、動物園で触れ合ったりすることもできます。人と動物がとても近くで生活している一方で、人と動物の「濃厚接触」によって、感染症が起きることがある、ということをご存知でしょうか。

動物から人にうつる感染症の一例としては、「パスツレラ菌」という細菌があり、犬や猫の口腔内には当たり前に存在しています。これが人にうつると、喘息や肺炎などの呼吸器疾患が起こります。咬まれたり引っ掻かれたりした痕が炎症を起こすこともあるそうです。重症化すると骨髄炎になることもあるので、動物と触れ合った後は手を洗い、ケガをした時にはすぐ消毒しましょう。

これとは逆に、人から動物にうつる感染症もあります。動物病院にかかったペットの間には「歯周病」の感染がよく見られるそうです。犬や猫が飼い主の顔や手を舐めたり、人が噛み千切った餌を食べたりしてうつるわけですね。

水族館でアクロバティックなショーを見せてくれるイルカやアシカ達にも歯周病が広がっています。ある水族館で、飼育員6人とアシカ7頭の口の中を調べたところ、彼ら全員(7頭と6人)から同じ遺伝子の歯周病菌が検出されたそうです。飼育員からアシカにうつったのか、その逆なのかは分かりませんが、彼らの間で歯周病菌の受け渡しが起きたことは間違いないといいます。

歯周病は、ヒトの口腔内に存在する細菌や、プラーク(食べカスと共に歯に固着した細菌の塊)が原因で歯茎が炎症を起こし、歯を支えている骨が溶けてしまう病気ですが、動物がこれに罹って歯を失うと、食べることが出来なくなって命に関わるので、深刻な問題となります。

いま、懸念されているのは、野生動物への歯周病の広がりです。昔に比べて、人と野生動物のテリトリーが近くなっており、予期せぬ遭遇が引き起こす事故も増えているようですが、もしも人に由来する病気が自然界に何らかの影響を及ぼすのであれば、動物たちとの関わり方を、考え直す必要があるかもしれません。