ヒトを刺すお邪魔虫たち

夏の時期は、「虫刺され」にお悩みの方も多いのではないでしょうか。

よく聞くのは蚊だと思います。蚊に刺されると「かゆみ」が起こりますが、これはアレルギー反応であり、「痛み」と同様に生体防御の為に、体が発する警報です。

蚊がヒトを刺すのは吸血が目的で、その際に自分の唾液を注入して去って行きます。蚊の唾液には、刺したことをヒトに気づかれないようにする麻酔成分と、吸血中に血が固まらないようにする成分が含まれています。その唾液がヒトの身体に入ると異物として判断され、それを排除するべく脳が「かゆい」と感じ、「引っ掻く」という行動を起こさせるのです。時には蚊がウイルスや菌などの病原を持っている場合もありますので、この「かゆみ」は危険を知らせる重大なサインと言えます。

ヒトを刺す虫は、蚊の他にもたくさんいます。ハチやブヨ、毛虫などは、いる場所になるべく近づかないで避けるという防御が可能ですが、問題なのはヒトの家に入り込んで居ついてしまうノミやイエダニです。

ノミは犬や猫に寄生するのでペットを室内で飼っている方は注意が必要です。体長は1~4mmで、なんとか目視できる大きさなので、見つけたら駆除することが出来そうです。

一方、イエダニは哺乳類の血液を餌にしており、ネズミを媒介して屋内に侵入します。ヒトを刺して感染症を媒介することがあるので、注意が必要ですが、体長は1mm以下と、とても小さいので目視が難しいです。さらに、足のツメが強力で、布団やカーペットにしがみ付いてなかなか離れません。掃除機で吸っても、洗濯をして天日干ししても、完全には取り切れないようです。

自力での完全駆除は、なかなか大変ですが、最近は様々なグッズが販売されていますので、上手く活用したいですね。また、イエダニの場合は、媒介しているネズミを追い払って元を断つことも重要です。

虫刺されは、かゆみで引っ掻き、肌を傷付けてしまうだけではなく、アレルギーを引き起こしたり病原を媒介したりすることもあります。家の中にお邪魔虫が居座っていることが分かったら、間を置かずに対処するようにしましょう。