充電池は火事のモト

近年、ゴミ収集の現場で、「火災」が頻発しております。収集車や処理施設の中で、突然発火し、大火事となり作業員が怪我をするケースもあるようです。主な発火トラブルの原因物としては、充電式電池や加熱式タバコ、モバイルバッテリー、掃除機バッテリー、ライターなどが挙げられます。

例えばスプレー缶は、ガスを完全に抜いてから、他のゴミとは分けて出す、というルールはかなり以前から周知されておりますが、ガスが残っている状態で缶が普通の「不燃ゴミ」や「燃えるゴミ」に混ざっていると、収集車や処理施設の破砕機に掛けられて爆発するのでかなり危険です。

そして最近増えているのが、「リチウムイオン電池」による火災です。リチウムイオン電池は、携帯電話やノートパソコン、モバイルバッテリーなどに幅広く使用されている充電式電池のことですが、こちらも破砕機で押しつぶされた際に発火することが多いそうです。

電池の仕組みを簡単に説明しますと、プラス極とマイナス極があり、マイナスからプラスへ電子が移動することによって生まれるエネルギーが電気です。使い捨ての乾電池の場合は電子が移動しきったら終わりですが、充電池は、電子をマイナス極に返して、元に近い状態に戻すことが出来るので、繰り返し使うことが出来るのです。

電池の中で生まれた電気は、正常であれば、プラス極から家電製品などの大きな電気抵抗を有する物質を通ってマイナス極へ流れます。プラス極とマイナス極が直接つながることは、本来は無いように出来ています。ところが、外部から強い衝撃が加えられたりすると、弾みで両極が直接つながってしまうことがあります。これを短絡(ショート)するといいます。短絡が起きると、物凄く大きな電流が流れます。

充電池の方が、この短絡が起こりやすく、他のゴミに紛れた充電池がうっかり破砕機に放り込まれて発火することが多いようです。充電式電池だけではなく使い捨ての乾電池も、短絡して発火することがあります。そのため電池を保管する際は、ビニールテープなどを巻いて、絶縁処理してから保管するようにしましょう。