昇龍道 ~ドラゴンルート~

訪日外国人旅行客に人気のある旅行ルートといえば、東京・箱根・富士山・名古屋・京都・大阪を通る『ゴールデンルート』ではないでしょうか。
しかし最近ではゴールデンルートだけでなく、日本全国に観光客を分散させて各地の魅力を楽しんでもらうため、新たな旅行ルートの開発が進められています。
そのうちの一つが中部・北陸地方を南北に縦断する『昇龍道(ドラゴンルート)』です。

昇龍道は能登半島の形が龍の頭に似ていることと、東海地方から能登半島へのルートの形が「昇り龍」を彷彿とさせることから名付けられました。
ゴールデンルートに隣接するアクセスの良さや名称の縁起の良さが受けて、特にアジアからの観光客から人気を集めています。

ゴールデンルートが移動手段として東海道新幹線や東名高速道に偏るのに対して、昇龍道は愛知県・岐阜県・三重県・静岡県・長野県・滋賀県・富山県・石川県・福井県の9県が含まれているため、旅行の目的に合わせて移動ルートを選ぶことができます。
多くの温泉や四季折々の美しい景観、新鮮な食材、白川郷のような歴史的建造物など、多彩な魅力を持つ観光地がそろっており、選べるルートは多岐にわたります。
今の時期では、20mに迫る雪の壁を間近で見ることができる立山黒部アルペンルートが外国人旅行客に人気があるようです。

ツアーでの団体客を受け入れられるよう交通機関や宿泊施設の整備が進んでいますが、近年では個人の外国人旅行客に向けた高速バスフリーきっぷが発売されており、利用可能路線も拡大しています。
今後は電車の乗り換えも含めて利便性の向上を目指し、検討を重ねていくそうです。
ゴールデンルートだけでは体験できないような日本の文化や自然を求めて、地方を巡るリピーターも増えているため、更なる集客が期待できます。