集中豪雨に備えよう!!

集中豪雨が起きるのはなぜかご存知でしょうか。原因となるのは「線状降水帯」(積乱雲の大行列)です。発生の仕組みについて見ていきましょう。

雲は上昇気流によって発生します。空気には体積が増えると温度が下がる性質があるので、上昇するにつれ、今度は空気のかたまりの温度が低下していきます。すると、空気がふくむことのできる水蒸気の最大量〔飽和水蒸気量〕に達し、水てきや氷のつぶができます。これが上空の空気に浮かび、雲となります。上空に強い寒気が入っていたり、強い日ざしによって地上付近の空気が温められていたり、暖かくしめった空気があったり、といった条件がそろうと、雲は自分の力で垂直方向にモクモクと成長し、地上付近から10km以上の高さまで達する積乱雲が作られるのです。

積乱雲単体ではすぐに消滅してしまうものですが、この積乱雲が連続して発生する場合があります。6、7月頃、日本列島には梅雨前線が停滞しています。前線とは、寒気と暖気など性質の違う空気の境目のことであります。その境目では軽い暖気が重い寒気の上に乗り上げて上昇気流が出来ることで、雨雲が発生しやすくなります。この梅雨前線に向かって、南西方面から吹き込む温かく湿った空気がぶつかり、気圧配置の条件によっては、同じ場所に長時間にわたって上昇気流が流れ続け、積乱雲が次々に出来上がります。

問題は、水蒸気の量です。太平洋側の日本近海の海面温度が、30℃を超えているというニュースを聞きましたが、これだけ温度が高い海面を渡ってきた風には大量の水蒸気が含まれているわけで、水蒸気の量が多ければ多いほど、積乱雲は急激に成長し、それが列をなして集中豪雨を引き起こす「線状降水帯」となるのです。

地球温暖化が原因のすべてではないとは思いますが、水蒸気も、二酸化炭素以上に赤外線を吸収します。二酸化炭素が増えて気温が上がり、海水が蒸発して水蒸気になると、降水量が増えるというだけではなく、気温もさらに上昇することになり、悪循環に陥るわけです。

集中豪雨に備えて、今のうちにハザードマップで自宅・職場の場所を確認し、避難場所や避難ルートを確認しましょう。