iPS細胞の心筋シート、承認申請進む

iPS細胞から作った心臓病の治療に使う細胞シートについて、開発を進める大阪大学発のベンチャー企業が厚生労働省に製造・販売の承認申請を行ったことがわかりました。
企業によりますと、国に承認されればiPS細胞を使う治療としては世界初とみられるということで、今後、審査で有効性などが認められるか注目されます。

大阪大学発のベンチャー企業「クオリプス」は大学と協力して、iPS細胞から心臓の筋肉の細胞を作り、厚さ0.1ミリのシート状に加工した「心筋細胞シート」の開発を進めてきました。

企業によりますと、虚血性心筋症という重い心臓病の患者8人の心臓に貼り付けて移植する治験を行った結果、患者はいずれも疲労感やどうきなどの症状が軽くなり、半数以上は心機能の数値も改善したということです。

重い副作用などは起きていないということで、企業は厚生労働省に製造・販売の承認申請を行いました。

京都大学の山中伸弥 教授がiPS細胞を作り出したと発表してから19年となり、人に移植する臨床研究などはアメリカや中国などでも行われていますが、企業によりますと、国に承認されればiPS細胞を使う治療としては世界初とみられるということです。

【国内で進む開発競争】

iPS細胞をめぐっては、京都大学の山中伸弥 教授が2006年に体のあらゆる細胞に変化する能力のあるiPS細胞を作り出したと発表して以降、治療への応用を目指した研究はアメリカや中国、ドイツなどでも進められてきました。

国内では2012年に山中教授がノーベル生理学・医学賞を受賞した翌年から再生医療の研究開発への重点的な支援が始まり、国は2022年度までの10年間におよそ1100億円を投じました。

また、京都大学のグループはiPS細胞から神経の細胞を作り、パーキンソン病の患者7人の脳に移植する治験を行い、製薬会社が国への承認申請の準備を進めています。

関西 NEWS WEB(2025年4月8日 19時23分)より一部抜粋

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