『平成』から『令和』へ
4月1日、ついに新元号が発表されました。
来月5月1日から始まる新たな元号は『令和(れいわ)』です。
出典は日本最古の歌集である万葉集の『梅花の歌三十二首』の序文、「初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後(はいご)の香を薫す」からだそうです。
奈良時代に大宰府で開かれた花見の宴での様子を綴っており、ここで出てくる『令月』とは「何事をするにも良い月、めでたい月」という意味があります。
『令』という漢字単体にも、令室や令嬢に使われるように「良い」という意味が含まれています。
これまで247の元号の出典はすべて中国の古典からでしたが、今回は初めて日本の古典からの出典となります。
出典を万葉集としたのは、万葉集は皇族や貴族だけでなく、防人や農民まで様々な人が詠んだ歌が収められていて、豊かな国民文化と長い伝統を象徴する国書であるという理由からです。
ちなみに『和』という漢字は今まで元号に20回使われていますが、『令』という漢字が元号に使われるのは今回が初めてです。
日本古来の伝統と新たな試みが合わさった、新しい時代を感じさせる元号ではないでしょうか。
出版社ではすでに万葉集に関する書籍の重版を発表しています。
新たな時代を迎えるとともに、今後は万葉集をはじめ日本の古典にも注目が集まりそうです。