お肌の5月病

「5月病」と言えば、4月からスタートした新生活に少し慣れた頃合いに、それまでの緊張からくる疲れが出て、気分が落ち込んでしまうというものですが、お肌も5月病に注意が必要であることをご存じでしょうか。 「五月の朝の新緑と薫風（くんぷう）は、私の生活を貴族にする」（『月に吠える～雲雀料理』より）萩原朔太郎の詩には、5月の清々しい空気を表現して、「貴族」や「貴公子」という言葉がよく出てきます。

天気さえ良ければ、とても爽やかで気持ちの良い季節ではありますが、その反面、日によって暑かったり寒かったり、1日の中でも昼と夜の寒暖差が激しく、体調を崩してしまいがち。油断が出来ないのもまた、5月なのです。

心身の不調は、気温の上がり下がりに付いて行けずに、自律神経やホルモンバランスが乱れることで起きると考えられるのですが、これは血行不良を引き起こし、肌の新陳代謝も悪くなるので、肌荒れの原因にもなります。5月は紫外線が強くなる時期である一方、日によっては冬並みに湿度が下がって乾燥することもあります。お肌にとって大変難しい季節なのです。

そして、この時期に肌がトラブルを抱えてしまうことを、最近では「肌の5月病」と呼ぶようです。 肌を守るには、基本的なケアが大切になります。洗顔の際は、ゴシゴシこすると摩擦で肌が痛んでしまいますので、石鹸をふわふわになるまで泡立て、泡で汚れを吸着するつもりで優しく洗います。すすぎはぬるま湯で、丁寧に泡を洗い流します。すすぎ残しも肌荒れの原因になります。また、うっかり日焼けもこの時期の落とし穴です。近所のスーパーへ買い物に出る時でも、短時間だからと言って油断せず、帽子や日傘で日差し対策をしましょう。

それから、誰にとっても一番の悩みの種であるお肌の“シワ”。原因は乾燥です。秋から冬にかけては、化粧水もたっぷり使って対策していても、初夏のこの時期になるとつい、手を抜いてしまうかもしれません。乾燥対策は年中無休とした方がシワ対策に良いそうです。

肌を直接ケアすることも大事ですが、栄養の偏りも肌に影響します。バランスの取れた食事を心がけ、新しい環境に慣れようと無理に頑張りすぎないようにして、生活リズムを整えることから始めてはいかがでしょうか。