インドネシア視察 ~経済成長を支える化石燃料~

10月17日~20日に、ジャワ島北岸のマス川河口に位置するインドネシア第二の都市スラバヤへ視察に行ってまいりました。

インドネシアでは中部に位置するスラウェシ島での先日の地震及び津波による甚大な被害で2,000人以上の命が奪われ、今現在も未曾有の被災状況です。
謹んでお見舞い申し上げます。

インドネシアは面積が189.08万平方キロメートルで日本の約5倍有しており、約13,500の島々からなる世界最大の島嶼国家です。
人口は約2億6,000万人で日本の約2倍になります。
宗教は9割近くがイスラム教で、世界最大のイスラム人口を有します。

ここ10年間は一貫して約5%の堅調な経済成長を続けており、世代が若く、これからも労働人口は充実し、アジアで最も成長が期待できる国の一つです。

現在は2014年にジョコ大統領が就任し、インフラ整備、社会保障拡充、格差是正などの経済・社会政策を優先した国民目線の改革を行っております。

そのインドネシアに、今回も羽田空港から首都ジャカルタ経由でスラバヤに向かいました。

インドネシアのイメージは資源大国とお持ちの人が多いのではないでしょうか。
何故なら日本はインドネシアから液化天然ガス、石油、石炭などの資源を多く輸入しています。
インドネシアにとっても輸出入の両面で最大の貿易国の一つは日本です。
実際インドネシアは天然ガスや石炭で世界有数の輸出国です。
ただ石油に関しては少々事情が違うようです。
確かにインドネシアはアジアでは上位に入る石油埋蔵量を保有しています。
そして1962年から石油輸出国機構(OPEC)に加盟をしていました。
しかし2009年にOPECを脱退し、現在は石油の純輸入国になっています。
経済成長、人口増加の国内需要に原油の生産、精製の供給が追い付かず、原油や石油製品は輸入で賄っている現状です。

インドネシアの石油関連会社の最大手は、政府が株式を保有する国有のプルタミナ(PT Pertamina)になります。
インドネシア国内で石油などの採掘、精製をし、販売輸出を手掛けていますが、石油施設の増強、石油精製能力の向上が必要不可欠な状態は想像するに難くありません。

プルタミナは国内で5,000箇所以上のガソリンスタンドを有しています。
そうした石油の輸入依存を解消すべく、スラバヤで開発されている石油備蓄施設の工場現場を訪れました。

この埋め立てやパイプラインを通す工事は、壮大ではありますが戦争時の爆弾などを除去しながらの繊細な技術が必要なようです。

スラバヤでは、FOOD(フード)・ENERGY(エネルギー)・WATER(ウオーター)のFEWをかかげる、約100年の歴史があるインドネシア国営企業の工場にも視察に行きました。

ここでは主にENERGY部門の石油タンクの製造です。
これを組み立て、積み上げて巨大な石油タンクが出来上がるのを想像すると、何故か心が躍ってしまいます。

今回の視察では、経済成長がまだまだ続いていくであろうインドネシアのエネルギーの核である石油事情を垣間見ることができ、改めてこの国の可能性を実感しました。