フィリピン視察 ~秘めたる資質2nd~

12月15日~12月18日に、先日に続きフィリピン視察に行ってまいりました。

HSBC銀行が発表しているHSBC 2050REPORTによると、フィリピンは2050年に世界のGDPランキングで16位になると予測されています。
現在が43位であり、2050年までに1番伸びる国ともいわれています。
フィリピン経済は日本の高度成長期と同じ軌道をたどるのでしょうか。

フィリピンの出生率は3.23%(日本1.34%)と高く、今後35年以上も人口ボーナス期が続くだろうといわれています。
豊富な労働力が見込め、高度な経済成長が期待されるのが人口ボーナス期です。
経済発展に伴い所得が増えると消費活動も活発になりどんどん経済が発展していきます。
フィリピンの人々の消費行動は、江戸前気質であるといわれており、貯金はせず有り金はありったけ使うという考えの人が多く、消費が増え経済を押し上げる要因になります。
日本は少子高齢化が進み、1990年頃からは人口オーナス期に入ったといわれています。
1960年代の高度成長期に人口ボーナス期を迎え、豊富な労働力により経済が発展していきました。
この頃は投資が投資を呼ぶといわれるほど、設備投資が盛んに行われていました。
人口増加は国力と大きく関係しており、人口が増える国は投資妙味があるといわれています。
今後も人口ボーナス期が続くと見込まれるフィリピンは、とても魅力があります。

また人々が生活していくためには、社会のインフラ整備は不可欠となります。
電力・水・都市交通・道路など時代とともに必要となるインフラは様々と変化していきますが、途上国では今後の成長に欠かせない大きな課題となるでしょう。
現在マニラ首都圏を走る鉄道は4路線しかないそうです。
こんなにも人が集まるところで、鉄道が普及しておらず車の利用が増え渋滞につながっています。
通勤や帰宅ラッシュの時間になると、15分の距離が1時間以上かかることもあるようです。
毎日のこととなると住民の生活に大きな負担がかかります。

現在のドゥテルテ政権では、ビルド・ビルド・ビルドとよばれる大規模なインフラ整備計画が推し進められています。
2022年までに約8兆ペソ(約17兆円)を投じ、首都圏交通網や空港等の整備を行うものです。
外国の資本を呼び込みながら、さらに魅力的な環境づくりを行いさらなる雇用の創出が期待されます。

フィリピンでの自動車販売価格は日本の2~3倍といわれていますが、中間所得層が増えてきたこともあり販売台数は年々増加しているようです。

今回は12月15日にオープンした、レンタカーショップの視察に行ってまいりました。

レンタカーが事業として始まったのは1916年(大正5年)のアメリカでT型フォードだったといわれています。
日本では戦後に運転手付きのレンタカー業を開始しています。
今の日本でレンタカーといえば、自分で運転するというのが一般的ですが、フィリピンではドライバー付きのレンタカーが主流だそうです。
交通渋滞やマナーを考えると自分で運転するよりも安心ですし、観光ガイドや通訳などもつけることもでき、とても魅力的なサービスです。

フィリピンにはいたるところにバスケットボールのゴールやコートがつくられており、子どもたちが遊んでいる様子を目にします。
アメリカの影響を受け、古くから大人にも子どもにも人気のスポーツです。
PBA(Philippines Basketball Association)とよばれるアジアでは初となるバスケットボールのプロリーグがあり、人気も絶大です。

2016年から小学校・高校で合計10年だった義務教育が12年まで延長され、教育に力をいれはじめています。
その一方で子どもが増え続けることで、都市部では教室が不足している学校もあるようです。
生徒数が増え夜間や週末に授業を行い対応しているそうです。
貧困や格差の問題で、教育を受けたくても受けられない子どもたちが少しでも減少してほしいものです。

現状、マニラ首都圏に人口が一極集中しており、交通渋滞や環境問題緩和のために新都市の開発も進められています。
ニュー・クラーク・シティと命名されたこの新都市は、政府移転・新空港・高速鉄道の建設などが予定されています。
およそ40年かけて200万人が生活できる都市を目指し、建設コストは140億ドル(約1.5兆円)の超巨大プロジェクトです。
広大な緑地や省エネの建物、災害にも強い都市を目指しており、実現までには長い期間を要しますがさらなる発展が期待でき今後の動向が楽しみです。