健康長寿と食事の関係

「腹八分目」とは、食べ過ぎを抑制する言葉としてよく聞く言葉ですね。カロリーの過剰な摂取を控え、体に余分な脂肪をつけないことは、健康を保つために効果的です。

20 代の頃は、どんな食生活をしても、食事を少し節制するだけで、すぐに体重が落ちる人が多いと聞きます。30 歳を超えると、だんだんと余分な脂肪が落ちなくなり、食事の量だけでは対処できず、極端な食事制限をする人もいるようです。若い頃であれば支障はないかもしれませんが、こういった食事制限を何十年と続けることは骨が折れると思います。余分な脂肪を落とすのは大事ですが、そればかりに注力していると栄養不足になります。肉や魚のタンパク質や、カルシウムは減らしたりせずに十分に摂らなければいけない、というのです。高齢になったら肉なんてそんなに食べなくても良いのでは?と思ってしまいがちですが、実はそこに落とし穴があるようです。

年齢が上がると、普通に生活していても骨や筋肉の量は減ってしまうため、高齢者ほどしっかり食べるべきなのです。現に、100 歳越えの元気な長寿者を調査してみると、若い頃から食べ過ぎることもなく、小食でもない。普段の食事をしっかり摂っている方がほとんどのようです。

しかし、「しっかり食べる」というのは決して「好きな物を好きなだけ食べて良い」という意味ではありません。加齢とともに筋肉や骨の質量が減る為、それを補う栄養を採るようにしましょう。また、骨を丈夫にして筋肉を維持するためには、適度な運動が必要となります。毎日一定の距離を散歩するなどの習慣を作ると良いでしょう。

身体にとって良くないのは、極端な体重の増減だと言います。つまり、ダイエットとリバウンドを繰り返すのが一番よくないそうです。無理に体重を落とすと、脂肪だけではなく、筋肉まで落ちてしまいます。それがリバウンドで体重が戻る時は、脂肪が増え、筋肉は簡単には増えません。体重の数値だけでは元に戻ったように見えますが、実は中身が違っているのです。

健康を維持する上で、理想的な生活のあり方や食事の摂り方は、子供からお年寄りまで同じではありません。体重の数値に縛られず、健康を意識した生活を送っていきたいですね。