掃除だけじゃない!『重曹とクエン酸』がんにも効果あり?

重曹やクエン酸と言えば、掃除を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

重曹は酸性汚れを落とすのに適していて、焦げ付き、油汚れや皮脂汚れなどに効果的です。食品としては、ふくらし粉やアク抜きとして使えるほか、便秘改善、疲労回復、二日酔いに効くなどの健康効果もあります。一方クエン酸は、アルカリ性汚れを落とすのが得意で、水垢や石鹸カス、アンモニア臭を落とすことができます。重曹もクエン酸も、小さじ一杯程度を水100mlに溶かしてスプレー容器に入れておけば、汚れが気になった時にひと吹きして、手軽にお掃除ができます。

実は、重曹とクエン酸にはそれぞれ薬用・食用・工業用があり、薬や健康のための食品として販売されていて、がん治療に使用するという医師も現れてきています。

重曹は血液や体液、細胞内液の酸塩基平衡(さんえんきへいこう…体液の酸性とアルカリ性のバランスを保とうとする働き)に作用します。また、クエン酸は胃液や唾液の分泌量を増やし、活性酸素を除去する働きがあります。最近の免疫学の研究で、がんは活性酸素による細胞の酸化が原因の可能性が高いと言われています。重曹とクエン酸は、お互いを助け合うかたちで、抗がん作用を発揮することが報告されています。

がんの細胞外の水素イオン指数(pH)は酸性で、細胞内はアルカリ性です。ところが正常な細胞では、細胞外がアルカリ性で、細胞内はほぼ中性です。がん細胞と正常細胞では、細胞内と細胞外の酸塩基平衡が逆転しているのです。ここで、がん細胞の細胞内外の酸塩基平衡を、重曹とクエン酸を使って正常化すると、がんの増殖や転移を抑制し、細胞死を誘導できると言われています。

それぞれの摂取量について、重曹は塩分も含んでいるので、摂り過ぎは禁物です。1日3gまでにしましょう。クエン酸は特に定められていませんが一度に多く摂っても体外に排出されてしまうので、こまめに摂取することを心がけましょう。重曹もクエン酸も、安価ながんの代替療法と言えそうです。

ただし、「千人のがん患者がいれば、千種類のがんがある」と言われるように、重曹とクエン酸の代替療法が効く人と、そうでない人がいます。かかりつけ医と相談して、代替療法の導入を検討されるのが良いでしょう。