新型コロナウイルスとビタミンD

新型コロナウイルスの流行から、早くも3年が過ぎました。
この春以降、マスクの着用については個人の判断に任せると政府から発表が
ありましたが当面の間は、満員電車やバス等人混みの中では必携でしょうか。
しかし、夏に向けてだんだんとマスクを外す人が増えることが予想されます。
マスクに頼らずウイルスに感染しないよう心掛けたいですね。
そんな中、ビタミンDが新型コロナウイルスに対して有効な栄養素に
なり得るかも? という記事をみかけました。

ビタミンは、私たちの体にとても重要な栄養素です。
中でもビタミンD群は、カルシウムの吸収を助けて骨を強くし、カルシウムの
血中濃度を一定に保つという、大事な役割を果たしています。
最近では、ビタミンDには、免疫力をアップさせる効果も期待できるのでは
ないかと、各専門機関で研究が進められているようです。

先日、アメリカ国立衛生研究所で公開された論文が紹介されておりましたが、
これのテーマは、「COVID)-()19)(新型コロナウイルス)患者の集中治療室の
入院と死亡に対して、ビタミンDの補給がどのような効果をもたらしたか」
というもので新型コロナウイルスの患者に2週間、毎日5000IUのビタミンD3を
投与すると、集中治療室への入院が大幅に減り、死亡のリスクも半減することが
分かった、と書かれているそうです。

また、もともとビタミンDが欠乏している状態の患者に対し、同様にビタミンD3の
補給を行うと新型コロナウイルスの症状が、軽度~中程度で収まり、咳と味覚障害が
回復するまでに要する時間が短縮されることも分かったそうで、ビタミンD不足の
患者への補助療法として勧める、としています。
これはまだ、推論でしかなく、明確に新型コロナウイルスに対する効果が実証された
訳ではありません。
それでも、ビタミンDは、私たちの体を健康に保つために、欠くことが出来ないもの
だということは確かであり、新型コロナウイルスに限った話ではなく、全般的に病気に
対する抵抗力をつけるという意味で、きちんと必要な量を摂取していくことが大切です。

ただし、ビタミンDは必要だからと言って、過剰摂取するのは禁物です。
ビタミンDが多すぎると、カルシウムの血中濃度が上がり過ぎて腎臓に障害が出たり、
吐き気や不整脈が起きる可能性が高まるからです。
また、中枢神経にも異常が出て、命に係わる場合もあるそうですから、注意が必要です。

ビタミンD3は、食事から摂取するだけではなく、日光浴で紫外線を皮膚に受けることに
よっても生成されます。
基本的にはサプリメントなど要らないはずですが、あまり外に出ず、太陽の光を浴びる
機会が少ない人は、サプリメントで補給するのも一つの方法であります。
しかしそういう場合でも、自己判断で大量に服用するのは危険ですから、必ず掛りつけの
医師に相談して、現在の体の状態を正確に把握してから、摂取するようにしましょう。