日本の30年前と今

パソコンやスマホが普及し、今やネット通販や在宅勤務が当たり前になるなど、30年前と比べて生活は便利になりました。一方で、お金の面についてはどうでしょうか。今回は、今と約30年前を比較して、お金にまつわる状況がどのくらい変わったのかを見てみましょう。

■約30年間の平均年収が変わっていない?

国税庁が今年9月に発表した「令和4年分 民間給与実態調査」によると、2022年の平均年収は458万円でした。2021年は、443万円でしたので2.7%増加しております。また、約30年前の1991年では平均年収が446万6,000円でした。これらの結果から約30年間日本の平均収入がほとんど変わっていないということが分かります。しかし、物価高に加え、消費税などの負担が増加していることから、ゆとりのない世帯が増えているのが現状です。

■収入が減ったのに支出は増えている!

消費者物価指数は1990年と比べると5%ほど上昇しました。2022年3月については世界情勢などを受けて、前年同月比1.2%の上昇となっています。この30年間で消費税をはじめとする間接税のウエートが大きくなり、所得の少ない世帯ほど負担が重くのしかかっています。1989年に3%で始まった消費税ですが、その後5%、8%と上昇し、2019年には一部の食料品を除いて10%となりました。2022年3月時点では国際情勢などを受けて原油価格が高騰し、食料品の値上げも相次いでおり、家計負担を気にする声も上がっています。例えば、食パン(1kg)364円から512円、国産牛ヒレ肉(100g)680円から901円、配達牛乳(180ml)65円から130円に上昇しております。他にも、マーガリンは最大で47%、和洋菓子は7~8%、コーヒーは20%も値上げしたそうです。2023年の年間商品数はすでに3万1,681もの品が値上げになっています。

このように様々なことが30年前と大きく変化しています。値上げや増税で、同じ1万円札を持っていたとしても、買えるモノの量が昔よりも少なくなっております。賢い資産運用の選択は、ますます重要になって来るといえそうです。