骨の健康を維持しよう
人生100年時代、人々の健康への意識は高まり、生活習慣病やがんに意識を向ける方が増えていますが、骨の健康に意識を向けている人は少ないのではないでしょうか。
成人の骨格は200個以上の骨で成り立っており、骨には内臓を保護する、体を動かす、体を支えるという働きと、カルシウムの貯蔵庫としての役割があります。骨の内部には骨髄という部分があり、血液の主要な成分である赤血球、白血球、血小板がつくられています。
骨は加齢に伴って少しずつ弱くなっていき、どんどんもろくなります。高齢になると、骨密度が低下することで骨折しやすい状態になります。骨密度の維持には、女性ホルモンの一種である「エストロゲン」が大きく関わっています。閉経するとエストロゲンの分泌が減少して、骨密度を維持する働きが弱まります。それにより、男性よりも女性の方が骨密度は低下しやすく、骨粗しょう症になりやすいと言われています。他にも、喫煙、飲酒、過度なダイエット、運動不足などの生活習慣で骨密度が低下するとも言われています。
骨の骨密度を上げる、または低下を防ぐためには、カルシウムとビタミンD、ビタミンKの摂取が有効です。カルシウムは、骨を構成する重要な成分で、小魚、海藻、小松菜、チンゲン菜、大豆製品などに多く含まれます。ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける成分で、魚介類、きのこ類などに多く含まれます。ビタミンKは、カルシウムを骨に取り込み、骨を強くする成分で、納豆や色の濃い葉野菜に多く含まれます。カルシウムとビタミンD、ビタミンKを一緒に摂るのが理想的です。食事に上手く取り入れましょう。
また、運動も骨密度を上げる、または低下を防ぐために有効です。運動不足の方は散歩やウォーキングなどから始めてみると良いかもしれません。日光を浴びると皮膚の中でビタミンDがつくられるため、屋外でのウォーキングは骨を強くするためには一挙両得と言えるでしょう。
ご自身の骨の状態を把握することで、どのような対策が必要か知ることができます。地域によっては、骨密度の検査を行っている自治体もあります。ご自身の骨密度を調べたことがない方は、機会があれば一度測ってみて骨の状態を確認してみるのも良いかもしれませんね。