年間50万人の外国人観光客が訪れる飛騨高山

雄大な自然に囲まれ、古い町並みが残る岐阜県の飛騨高山。
ミシュランが発行している旅行ガイド『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』でも3ツ星に選ばれており、この地域に訪れる外国人観光客は年間50万人に達します。
高山市の人口は約8.9万人ほどですから、人口の5倍以上の外国人観光客が訪れていることになります。
しかし観光資源は多くあるものの、中部国際空港から電車で3時間半かかり、東京と大阪を結ぶゴールデンルートからもはずれるため、決して交通アクセスが良いとは言えません。
これだけの外国人観光客が集まるのは、高山市の長年の地道な取り組みがありました。

30年以上前の1985年からすでに英語のパンフレットは作成されており、今では10言語のパンフレットやマップが用意され、ウェブサイトは11言語に対応しています。
さらにヨーロッパからの観光客は昔からの町並みに興味を持つのに対し、アジアからの観光客からは四季折々の景色が好まれるなど、国や地域によって観光目的が違うことに着目し、パンフレットの内容も国ごとに変えています。

また、外国人観光客に直接話を聞くことで、何を求められているのか情報を集めています。
外国人観光客は日本の「普段の暮らし」に接することを楽しむ方が多いそうです。
そのため、外国人観光客に満足してもらうには行政だけでなく、民間との連携が必要不可欠になります。
高山市は民間企業も積極的にインバウンド事業に関わっており、官民一体となって取り組んでいる特色があります。
積極的な民間企業を行政が支援することで実績を出せば、他の企業への刺激となり積極的な企業が増え、より良いサービスを提供することができるのです。

白川郷や金沢など、近隣の地域とも連携して新しい観光ルートを展開し、何度来ても飽きないような観光地づくりに努めています。
もちろん海外へ赴いてPR活動することも欠かせません。
このような一つ一つの取り組みが積み重なり、飛騨高山への高い評価へと繋がっているのです。