どうする?「マイナンバーカード」

ヒモ付けられた保険証の情報が別人だった、住民票を取得したら他人の情報が記載されていた、銀行口座も全く関係のない他人の口座が誤って登録されていたケースなど、様々な「マイナンバーカード」のトラブルがあるようです。

国民の間ではマイナンバーカードに対する不信感が募ってしまい、せっかく発行したカードを返納してしまうという人も増えています。しかし、カードを返納しても登録した情報が削除されるわけではないので、あまり意味は無いのかもしれません。

マイナンバーカードに関して一番気になるのは、「健康保険証」としての機能でしょうか。政府は、来年秋には現行の保険証を廃止し、マイナンバーカードを使ってヒモ付けしたデータを呼び出す方式に一本化する方針です。保険証は病院の窓口で、「保険適用の資格があるか」を確認するために用います。従来は、窓口で氏名と被保険者番号を控え、加入している組合にレセプトを送って照合できればOKになるのですが、もし資格喪失していると突き返されてしまい、病院が困ることになります。

マイナ保険証ならその場でオンライン確認が出来て、後からのトラブルを避けられます。問題は、保険証の情報はカードに記憶されている訳ではなく、外部の情報にオンラインでアクセスして照会する仕組みなので、通信障害が起きれば照合できなくなってしまうということです。他にも患者さんが暗証番号の入力を間違えてロックが掛かってしまったり、認知障害のある高齢者などの場合は暗証番号の設定、入力が難しいという問題もあります。

そこで政府は、顔認証のみで利用できるカード(保険証利用に限った特例)を作ることにしたそうですが、機械の精度があまり高くないようで、読み取りが上手くいかない事があります。  更に、読み取りの機械が高価なこともあり、現場の医療機関は苦労を強いられているようです。

昨年10月から、マイナ保険証より従来の保険証で受診する方が料金が高くなるように診療報酬が改訂されています。これも保険証機能付きマイナンバーカードに移行を促すための策なのだと思いますが、政府からもっと丁寧に細かい説明があると、国民も前向きにマイナンバーカードへの移行を進められると思います。