高級住宅価格上昇率でフィリピンが1位

 不動産ブームに沸くフィリピンでは、首都マニラの中心部で大手デベロッパー各社が高級住宅プロジェクトの展開を加速し、地元の富裕層や外国人向けに、100万ドル以上の高額物件を売り込んでいるそうです。

 例えば、マニラのボニファシオ・グローバル・シティにあるオーレリア・レジデンスの各物件の広さは、240平方メートルから349平方メートルで、価格は1億2000万ペソから2億1000万ペソ(約5億6000万円)です。

 JG サミットのランス・ゴコンウェイCEOは、「フィリピンの高級物件の価格を押し上げている要因は数多くあります。フィリピン経済は、コロナ禍後の回復力と成長を見せており、インフラ関連の投資も活発です。また、フィリピンは東南アジアの非常に戦略的な位置にあり、地域の大規模なハブに近いというメリットもあります。」と述べておりました。

 ビリオネアのアンドリュー・タンが経営するメガワールドも、高級住宅開発に重点を置いており、同社プロジェクトの約80%はアッパーミドルから高級セグメントを対象としているそうです。

 メガワールドの親会社アライアンス・グローバル・グループのケビン・タンCEOは、「メガワールドの業績が借入コストの上昇やペソ安にもかかわらず、年間1450億ペソ(約3900億円)の販売額の達成に向けて順調に推移している。同社の住宅販売の29%は海外からの購入者によるもので、ドル高が需要を押し上げる要因になっている。」と述べておりました。

 英不動産サービスのナイト・フランクが今年5月に発表したレポートによると、マニラ中心部のマカティ地区と近隣エリアの高級住宅価格は、2024年3月までの1年間で26%上昇し、同社が調査した世界44都市の中で最も大きな上昇幅を記録しました(2位は東京で12.5%、3位はムンバイで11.5%でした)。ナイト・フランクは、この上昇の主な原因がフィリピン経済の好調とマニラ周辺の大規模なインフラ投資にあると考えているそうです。

 今、アジアにおいて世界から最も熱い視線を向けられているフィリピン。アジア唯一のキリスト教国ということもあり、ヨーロッパ、アメリカからも積極的に投資を受け入れています。 地理的な立地条件の良さも含め、将来、アジアのハブとして、中心的な役割を果たしていく事が大いに期待されています。今後のフィリピン経済に大注目ですね。