日本とフィリピンの関係は「黄金時代」に入った

岸田文雄首相は11月4日、フィリピン議会で日本の首相として初めて演説し,東南アジア諸国連合(ASEAN)との連携強化の姿勢を強調。ASEANとの友好協力50周年を記念して12月に東京で開かれる特別首脳会議で、今後の日本とASEANの関係を発展させるための新たなビジョンを表明しました。

【両国関係はかつてないほど強固に】

岸田首相は冒頭、1977年、当時の福田赳夫首相がマニラで演説し「対等なパートナー」「心と心のふれ合う信頼関係」をうたった東南アジアの外交原則「福田ドクトリン」について言及し、太平洋戦争で家族を喪いながらも、日本人戦犯に恩赦を出したキリノ元大統領に触れ、「友好関係に至るまでには寛容の精神に基づく先人の努力があったことを忘れることはできない」と述べました。その上で、現在の両国関係を「黄金時代に入った」と評しました。

【ASEANとつくる繁栄の新時代】

今後のASEANとの関係については「地球規模の課題に現実的かつ実践的に取り組み、対等なパートナーとして、各国の強靱性(きょうじんせい)・持続可能性を高める」と話しました。今後、ASEAN感染症対策センターの設立などの支援を進めていく考えを強調しました。
12月に開かれるASEAN特別首脳会議では「信頼を次世代につなげ、持続可能で繁栄した新たな時代をつくるためのビジョンをASEANとともに打ち出したい」との表明をしました。
議会の前日、マルコス大統領との首脳会談では、同志国の軍に装備品を提供する枠組み「政府安全保障能力強化支援(OSA)」を初適用し、沿岸監視レーダーを提供することで合意したことを紹介し「引き続きフィリピンの安全保障能力の向上に寄与し、地域の平和と安定に貢献していく」と述べました。

【経済発展が期待されるフィリピン】

フィリピンにおいては、経済の発展も目覚ましく、首都マニラを中心とした都市圏ではフィリピン初となる地下鉄など、インフラの整備も急ピッチで進められております。
アジアにおいて、日本に次ぐ第6位という1億1300万人を超える人口を抱え、国民の平均年齢が24歳という若い国のフィリピンは、今後さらに大きく発展していく事が期待されております。