自然塩は健康の味方

「塩」と聞くと高血圧を連想し、できるだけ摂らないようにしている人が多いかと思います。ところが正しく塩を摂ることは、健康に効果的な場合もあるのです。

塩には大きく分けて2種類あります。ひとつはどこのスーパーにも並んでいる「精製塩」と呼ばれるものです。一般的で、塩と言えばこれを想像する人も多いでしょう。しかし、これは工業的に作られたもので、99%以上が塩化ナトリウムでできています。舐めてみると、舌が痺れるような、強烈なしょっぱさを感じます。

もうひとつは海塩や岩塩といった「自然塩」と呼ばれるものです。天日干しや平釜、逆浸透圧といった工程で作られ、塩化ナトリウムは8割程度しか含んでいません。にがりや豊富なミネラルを含んでいるため、まろやかな味がします。

血圧が上がると考えられているのは、精製塩の摂り過ぎによるものと考えられています。厚生労働省の食事摂取基準では、食塩は男性が7.5g、女性は6.5g以下とされています。しかしこれは塩化ナトリウムの量を精製塩をベースに定めたものですので、自然塩は、もっと多く摂っても良いということになります。さらには、塩不足が身体のミネラルのバランスを崩し、体調不良の原因になることもあります。塩には体調を良くするために必要なカリウムやナトリウムなどのミネラルが多く含まれています。そのほか、実は塩には驚くほど多くの健康効果があります。

●体を動かす素

塩は神経伝達物質の材料になります。身体を動かせるのも塩のおかげと言えるようです。

●栄養素を運ぶ助けになる

塩は浸透作用を持ち、身体の細胞に栄養を送り届けるのに役立ちます。

●整腸作用

塩は酵素を活性化する働きがあり、腸の働きを高める効果が認められています。腸内の酵素は消化・吸収の機能を高め、便秘解消に役立つとも言われています。

●体温を上げる

塩は、体内のエネルギー代謝を高め、体温を高める効果も認められています。

塩は一概に悪者と言えるわけではなく、適切に摂ることで健康の味方となります。普段から摂取している塩を、身体に良い自然な塩に変えてみては いかがでしょうか。