とろろで健康生活

とろろの食べ方は、出汁に混ぜたり、ワサビで少しツンとさせたり、卵の黄身を中央に乗せるなど、バラエティに富んでいます。さらに、刺身や牛タン焼きなど、どんなおかずにも合う主食としてとろろごはんが定番ではないでしょうか。とろろは、摺り下ろす山芋の種類によって味や口当たりが違います。今回は山芋の種類や栄養素、どのような健康効果があるのかをご紹介致します。

◆山芋の種類について

山芋とは“ヤマノイモ科”の芋類の総称になります。普段スーパーで見かける山芋には、いちょうの葉の形をした“いちょう芋”や丸くてゴツゴツした形の“つくね芋”などがあります。これらは、粘りが強めでアクが少ないのが特徴です。摺り下ろすと箸でつかめるくらいしっかりとしたとろろになります。山芋の中でも栽培量が多いのが長芋になります。長芋は、水分が多いため粘りは少なめで、摺り下ろすとサラリとしたとろろになります。希少価値が高い山芋が自然薯(じねんじょ)になります。日本原産の山芋で、名前の由来には諸説ありますが、山に自生していることから自然薯という名がついた芋です。摺り下ろすと味わいは濃厚で非常に粘りが強く、アクも強めです。

◆山芋の栄養素や健康効果について

山芋は消化酵素をはじめ、ビタミンB群、食物繊維などの栄養成分が豊富です。そして山芋の皮には、ペクチンというネバネバ成分が含まれており、タンパク質の消化吸収を助ける働きがあります。また、腸内環境を整える働きや、血糖値の上昇を抑える働きも期待されています。フラボノイドやカテキンなどのポリフェノールも豊富に含まれます。これらには、抗酸化作用があり、老化の予防や生活習慣病のリスク低減に効果的です。さらにイヌリンと呼ばれる水溶性食物繊維も含まれており、腸内環境を整える働きや、血糖値の上昇を抑える働きが期待されています。消化酵素のジアスターゼも含まれ、疲労で荒れた胃を保護して消化吸収を促進し、体力の回復を図る働きがあります。だから、山芋好きな人は健康な人が多いのかもしれません。

普段の食事で食べる山芋にも様々な栄養素や健康効果があるのですね。この機会に是非とろろを食べてみてはいかがでしょうか。