食事の回数を減らして体内の健康を取り戻そう

「三度の飯より〇〇が好き」という慣用句があるように、食事は一日3食が一般的です。しかし、これでは食事の摂り過ぎと考えられるようになってきたのです。食事の頻度を下げ、間隔を空けると、健康に良い 効果があることが分かってきたため、最近ではプチ断食(ファスティング)が注目されているようです。

欧米の医学界では、空腹と健康に関する研究が盛んにおこなわれ、ファスティングが体重や体脂肪の減少に繋がること、がんや糖尿病、心血管疾患(心筋梗塞や狭心症など)、神経変性疾患(アルツハイマー型認知症やパーキンソン病など)の予防に効果があることが分かってきています。一日3食、もしくはそれ以上摂っていると、前に食べたものを消化している間に次の食べ物が体内に入ってくるため、内臓は休むことなく働き続けなければなりません。当然、内臓は 疲弊してしまいます。疲れた胃や腸、肝臓などは働きが鈍くなり、栄養をしっかり吸収できなくなり、老廃物もきちんと排出されなくなります。腸内環境も悪化し、免疫力が低下し、体調不良になったり、病気にかかりやすい身体になってしまうのです。

何も食べない時間が10時間を超えると、肝臓に蓄えられたグリコーゲンが尽き、体は脂肪を分解して、エネルギーに変えようとします。体内の余分な脂肪が分解され、減っていくのです。さらに脂肪が分解されると、血液中の脂質が減り、圧迫されていた血管が解放されます。空腹時間が12~24時間になると、血液中の糖質が20%程度減るという報告もあります。

空腹の時間を作ることの最大のメリットはオートファジーの効果を得られることです。オートファジーとは、細胞内の古くなったタンパク質が除去され、新しいものに作り変えられるという仕組みです。空腹の時間が続くと、体は生存するために、体内にあるものでタンパク質を作り出そうとします。このとき細胞が内側から生まれ変わることで、がんや糖尿病をはじめとする生活習慣病、アルツハイマー型認知症、感染症などの予防効果や、肌や筋肉などの老化防止の効果があると考えられているのです。

オートファジー効果を考えて、食事の時間をいつもより空けてみるのも良いかもしれません。