日本の天皇家は世界最古の王家
世界最古の王室が、実は日本であることをご存知でしょうか?現在の天皇陛下は第126代目にあたります。
皇室は、初代神武天皇から現在まで「万世一系」(永遠に一つの系統が続くこと)を貫いていると言われています。始まりの年について、正確には分かっていませんが、6世紀以降、現在まで王朝が交代した証拠がないことから、最も少なく見積もっても1,500 年以上続く、「現存する世界最古の王室」であると言えます。ギネスの記録でも、日本の皇室が世界最古と認定されています。
日本は、国土が島国で、海を越えるのが命がけだった時代は、他国からの侵略を受ける危険性が低かったこと、そして12世紀あたりで政治の実権が公家から武家に移ったことで、天皇家が覇権争いで断絶することもなく、近代に至りました。第二次世界大戦の戦後処理では、場合によっては天皇制が廃されていたかもしれないという話もあったそうです。そんな危機を乗り越え、これまで存続できたのは奇跡かもしれません。
ところで、「日本」という呼称が定着したのはいつ頃なのでしょうか?国という概念は、「外国」を意識した時に初めて生まれるものだと思います。7世紀の初めに聖徳太子が隋の国王に宛てた親書に「日出処の天子より~」としたためたというのは有名な話ですが、そこに「日本」という国の名前のモトが見えます。この頃外国を意識していたのは、まだ聖徳太子くらいだったのかもしれません。
それが大化の改新の後になると、天武天皇が強力な律令体制を構築し、人々をまとめ上げ、天皇を中心とした「中央集権国家」の形が明確になっていきます。天皇制が「制度」として確立したのはこの頃です。「内」を固め、「外」に対して独立国家の権威を示す為には国の称号が必要です。いつから「日本」という国名が使われ始めたのか、はっきりと示す資料は見つかっていないそうですが、9 世紀に編纂された資料に大宝律令(701年)について解説しているものがあり、そこで「日本国天皇」の記述が見られるので、やはり7世紀末~8世紀初め頃ではないかというのが有力説です。
揺るぎない国家の成立を背景に、人々の意識には「我が国、日本」の誇りが芽生えたのかもしれません。